トランスフォームとは何か。
トランスフォームのコンセプトとは、作品がひとつだけの要素を含んでいるわけではないということ。実際見えるものではなく、その作品が構成されている要素全てを協調するという見方である。作品の各所に意味があり、作品全体で表現する。この考え方は構成面で作品全体を見解することができ、トランスフォームの要素を含む大切な見方であり、この考え方に従うことで異なる要素をまとめて首尾一貫し、作品に反映させることができるのだ。
トランスフォームは作品に意味を与えるという点では不意である。作品を構成する要素が新しい意味を生み出す。要素には各々ひとつの意味があり、その超越した意味を持ち合わせて作品に息を吹きかける。そのため、構成される全てのオブジェクトは、抽象的にも具体的にも見えるものを隠し、シンボルとして意味を発する。意味を持ち、形あるシンボルとして目に見えるものになる。
トランスフォームは不測事態の欠如があって初めて完成する。哲学の思考に基づいた芸術作品には予測できないことが不可欠であるといえる。
トランスフォームは作品の至る部分に意味を与え、欠けていた意味をも与える。このことは、作品の構成要素の質を向上させた。しかし、このトランスフォームという行為は作品の意味を変えてしまう可能性がないようにするため、取り入れる要素を厳選する必要がある。時折、観る者に辛さを与えてしまう作品がある。それは技術的にではなく、含みたいのに含めない要素が描かれていなかったりするからだ。この自由の不足こそ、完全なアートとトランスフォームの作品の違いだといえよう。
トランスフォームは論理的かつ完全なアートの自然な進化なのである。トランスフォームは構成要素を自然な形で取り扱い、そのコンセプトに近づける役割をし、視覚的のみならず概念上でも作品を意味のあるものにしてくれる。