議論
議論と名付けたこれらの作品の特徴は、幾何学的な傾向にある抽象的な構造と作品を反映したテキストである。自身の観点から、その意図したテキストとイメージの関係性が面白いと思う。これらの作品はテキストなしではしばし理解が難しい。
議論全て、イメージと言葉が協調し合ってはじめて一つの作品として完成する。イメージはテキストが訴えることを描き出し、そのイメージが言葉の意味を解釈するするのを手助けする。
これら全ての作品は、真ん中の円を中心として何種もの形状が入り込む。これは哲学的に同等であることを示し、可能な範囲でこの技術を取り入れることにした。同作品は、一つの要素と絶対性をもつ要素の間にある形而学的な問題についての抽象画であり、この2点の関係性を表現する図面である。
作成過程においては、哲学からインスピレーションを受け、それに関するテキストの作成するところから始めた。テキストを書き終えると、その思考を視覚的に表現するようデザインを描き始め、ここからテキストのメッセージとイラストの形状が対話し始めた。
議論2と議論3では、議論1に引き続き、抽象的な空間の中にそのテキストがあるという想像的な幾何学模様の様式が見られる。これらの思考は常にアーティストとその作品の間を行き来する。個人的な価値や秘密を含む思想であり、芸術を創造していく中で自身に意味のあること、意味を成すことなのである。
議論2と議論3では、議論1で用いた要素は使われず、かなり異なる作品となっている。同二作品では、比喩的な要素をなくしたかったというよりも、正直その要素に合う構成ではなかったという理由で、このような要素を省いた。
抽象的な構成は、限られた要素のみできちんと作成でき、作品を表す要素の助けは必要なかった。実際、近々作成予定の次シリーズでは新たな比喩的な要素を取り入れたいと考えており、比喩的な要素と象徴的な要素の隔離、および幾何学的な要素と抽象的な要素の隔離の両方を描きたいと考えている。